読書記録をブログで紹介しています。
今日紹介するのは、タイトルのインパクトでずっと気になっていたけど、なかなか読むチャンスがなかった【君の膵臓をたべたい】について。
原作を読んだ後で実写版映画もアマゾンプライムビデオで見て、違いがあるかチェックしてみました。
原作・実写版映画について、ネタバレ感想レビューをまとめていこうと思います。
目次
「君の膵臓をたべたい」読書記録
原作は発売当時からタイトルが気になり読んでみたいと思っていた小説。
でも読みたい本がありすぎて読めずにいました。
先日、次男がブックオフで中古本を買ってきたのでやっと読了。
【君の膵臓をたべたい】は、住野よるのデビュー作。
2017年7月には実写版映画が公開され、去年2018年9月1日から劇場アニメが全国ロードショー公開されました。
デビュー作でこれだけ有名になるなんて、住野よる氏の他の作品もぜひ読んでみたい。
「膵臓をたべたい」なんて、タイトルがエグい!
原作発売当初にタイトルのインパクトさに実に驚いた。
「膵臓をたべたいって、ハンニバルか!」と突っ込みたくなるような、あまりにもホラーちっくなタイトルに度肝を抜かれた。
当時のキャッチコピー「ラスト、きっとこのタイトルに涙する」のせいか、セカチューと同じくきっと恋愛話だろう思っていました。
が、意外にも予想は外れた。
恋愛系だけどそれだけではなくて、50代の私が読んでも考えさせられてしまった。
そもそも恋愛小説は好きではないので好んで読まないけど、この本は恋愛とはちょっと違い「相手のことを知ることで自分が見えてくる」そんな人間関係を描いた素敵なお話でした。
タイトルは戦略?
【君の膵臓をたべたい】は、タイトルの強烈さが当初から話題になってましたよね。
タイトルについては、インパクトの強さを狙った「著者の戦略なのかも?」と思ったけど(少しはあると思うw)、このホラーちっくなタイトルの意味はラストでわかります。
たぶんこのタイトルのせいで、この本を読んだ人も多いはず(笑)
それでは、ネタバレいってみましょう⌒*
「君の膵臓をたべたい」原作ネタバレ!

2015年6月に発売されてから4年も経った今、やっと読んでみた【君の膵臓をたべたい】なんですが、内容は当初の想像をいい感じに裏切ってくれた。
タイトルのせいで恋愛がらみで誉田哲也氏のようなグロい系小説かな?と、勝手に想像していた(笑)
タイトルはエグい系だけど、中学生の次男が朝読で読んでも問題ない内容でしたよ。安心ください。
ここからネタバレです!
- 小説を読むことが好きで、大人しく目立たない性格の「僕」
- 明るい性格でクラスのみんなに好かれていて、友達がたくさんいる「山内咲良」
この2人の主人公を中心にストーリーが進む。
まったく正反対な性格の2人なんだけど、実はお互いに憧れていたことが後々わかります。(憧れてるけど恋愛だけではないとこがよき。)
自分が持っていない相手の内面、それこそが2人が惹かれ合った理由。
主人公の「僕」は、山内咲良の誰からも好かれ友達もたくさんいる明るい性格に憧れる。
次第に影響を受けていく様子は、50代の私からすると初々しくて微笑ましかった^^
1人で本を読むことが一番の楽しみで、友達と関わろうなどと思わなかった「僕」の心境に少しずつ変化が現れる。
その反対に、山内咲良はたくさんの友達に囲まれているけど、いつも1人で本を読んでいる彼「僕」の内面の強さに実は憧れを持っている。
たくさんの友達に囲まれて側から見ると幸せそうな咲良だけど、家族以外の誰にも自分の病気のことは隠したまま。(山内咲良は持病のため余命が少ない状況。)
周りにたくさん友達はいるけど、相手を想うばかりに本当の自分を晒すことができないなんて・・・なんて辛いんだろ。
病気を告白して、友達に気を遣わせてしまうことを避けたいという咲良の優しさに、娘を持つ母親として目頭が熱くなってしまった。
病気のことを誰にも言えず学校生活を過ごすなんて、そんなこと私だったら絶対できないなと子供だった当時の自分と比べてしまう(笑)
「高校生なのに咲良はなんて大人なんだ。おい!」
ある時、その秘密がひょんなことで主人公「僕」にバレてしまい、そこから2人は友達になっていく。
強引な咲良の行動で2人は時間を共有していき、2人の間には友情とも愛情とも呼べる人間関係が生まれる。
ラストは完全に予想が外れた!
ラストは予想と違い、山内咲良は本人の病気が原因で亡くなりません。
「え?」
未読の人ならきっとそうなるはずですよね。
予想していない終わり方に驚いた。
病気系で有名な著書「世界の中心で、愛をさけぶ」セカチュー、当初ラストは同じ感じだと思ってたから拍子抜けしてしまった。
ネタバレすると、山内咲良は通り魔に殺害されて亡くなってしまうんです。
「えええーーーーー」ですよね。
実は病気で亡くならなかったというラストにこそ、著者が深い意味を持たせるためにそうしたんだと思います。
主人公咲良は膵臓の病気のため、本人も家族も、そして作中でストーリーを進める「僕」も余命が残りわずかだとわかっていた。
そうわかっていながらも咲良がもっと早くに命を落としてしまったという事実が、この作品のなかの肝心な部分。
残された時間がわずかだとわかっているなかで、それでもまだ時間はあるだろうと思っていたからできなかったことがあった。
そのために悔いが残ってしまい、残された人たちは考えさせられるんだと思います。
その可能性は誰でも起こりうること。
そう私にも、誰にでも。
つまり「今を大切にして生きていくこと!」これが大切なんだと私は感じました。
山内咲良の共病文庫のこと
「共病文庫」は、主人公の2人が親密になるきっかけになったもの。
これは咲良が書いていた日記のようなものです。
共病文庫のラストに咲良からみんなへのメッセージ(遺書)があり、彼女の想いがここで明らかになる。
最後、咲良に会うことができないまま死別することになった「僕」の疑問についても、その部分でわかるわけです。
そして咲良がそこに書き残した言葉、それが「君の膵臓をたべたい」です。
つまりこの言葉が本のタイトル。
なぜ咲良が「君の膵臓をたべたい」そう書き残したのか?
それについては作中で軽く出てくるけど、最後ここに繋がるんだなあと著者の構成のうまさを感じた。すごいなー、住野よる氏!
咲良からみんなへのメッセージ(遺書)のところは涙出ますよ。
「僕」が咲良に送った最後のメールが、亡くなる前に届いていたことがわかったところで私は泣きました。
若い2人の関係を、友達・恋人のようなありふれた言葉にするのはもったいない。
作中に名前が出てこない理由
作中で主人公の志賀春樹については、ずっと名前が出てきません。
「僕」だったり、「仲良しくん」のように表現されたまま。
正直、最初は読みづらかった^^;
その名前が出てこない理由は、咲良が亡くなった後でわかりますよ。
アナログって素晴らしい!
咲良の病気の真実を知らなかった咲良の親友恭子は、通り魔に会って命を奪われた事実しか知りません。
最後に「僕」が恭子を呼び出して共病文庫を読んでもらい、咲良が生前隠していたことを知ることになる・・・
「僕」が喫茶店で恭子に会い、咲良の共病文庫を差し出す場面。
そこで共病文庫の文字を見ただけで、恭子は咲良が書いた字だとわかるんですよ。
ここでちょっと小説のことから離れてしまうけど。
その部分を読んだ時に思ったことが、「手書きってやっぱり素敵だなー!」でした。
私も書くことが好きなので、モレスキンノートにいろんなことを毎日綴っています。
仕事のことはもちろん、プライベートなこと、子供たちのこと、なんでもかんでも。
手帳好きなアナログ派の人には共感してもらえると思うけど、親しい間柄なら文字だけで誰が書いた文字なのかわかりますよね。
ラインやパソコンのメールと違って、実際に書いたものってその人の想いがめちゃくちゃ感じられるから好きなんです♡
だから子供たちからもらった手紙は私の宝物。
【君の膵臓をたべたい】を読んで、ますます大切な人にはこれからも手紙をたくさん書こうと思いました。

【君の膵臓をたべたい】実写版
【君の膵臓をたべたい】実写版キャスト
- 山内桜良:浜辺美波
- 僕(志賀春樹):北村匠海
- 滝本恭子(学生時代):大友花恋
- 一晴(ガム君):矢本悠馬
- 隆弘:桜田通
- 栗山:森下大地
- 宮田一晴(現在のガム君):上地雄輔
- 桜良の母:長野里美
- 恭子(現在):北川景子
- 僕(現在):小栗旬
実写版映画はアマゾンプライムビデオで見ました。
上のキャストを見れば納得の豪華メンバーが勢ぞろい、人気俳優さんだらけであります。
原作と実写版映画の違い
実写版映画は原作と違う部分がいろいろありました。
原作では最後のほうでやっと「僕」の名前が志賀春樹とわかるんだけど、実写版では早い段階で明らかになってましたよ。
多分そうしないと、私のような鈍い人間にはわかりずらいからだと思う。
でも原作と実写版の違いについて1番違和感を感じた部分は、実写版のなかで咲良の親友恭子に真実を伝える場面かな。
大人になって教師になった春樹が図書室で本の整理をしていて、咲良からのメッセージを見つける。(当時、2人で図書委員をしていたため)
そのメッセージを大人になった恭子の結婚式の当日に「僕」志賀春樹が持って行って、恭子にメッセージを伝える設定に違和感が拭えないのは私だけだろうか。
結婚式当日にそのメッセージを見つけて、結婚式場に持って行くという偶然はちょっと厳しくないかな、そう思いませんか?
あ、大人になった恭子役の北川景子さんのウエディングドレス姿は本当に美しかったですよ^^
アニメーション版
【君の膵臓を食たべたい】のアニメーション版は、去年2018年9月1日から劇場アニメが全国ロードショー公開されました。
そのためまだ見ていません。
アマゾンプライムビデオで見れるようになったら、感想レビューを追記したいと思います。

吉野よる氏作品を読もうと思った
原作と実写版は多少内容が違うものの、全体的なストーリーはほぼ同じの【君の膵臓をたべたい】でした。
読書が苦手な次男がスラッと読めた本なので、本が苦手な人にもぜひ読んでもらいたい。
改めて、「平凡な毎日を過ごせることが幸せなんだ」と強く感じた本でした。
そして「生と死」についても考えさせられた。
先月、愛猫のモモちゃんを亡くしたばかりで、まだきちんと心の整理ができていない私が「一歩前に進めるかも」と思えました。
いつも一緒にいた誰かを失うと、時間の経過とともにまた悲しみが襲ってくる。
生活が変わってしまったことで、失った現実を突きつけられるから・・・
そんな折に、偶然読むことになったこの本との出会い。
ちょっとだけ前に進めるかもしれません。
子供の頃からハンドメイドで手作りすることが趣味。
- ミシンで洋服や小物を作る
- 洋服リメイク
- ブライスドールカスタム
- パッチワーク
- 編み物
- 刺繍
- 刺し子
私の手仕事作品はこちらからどうぞ⌒*
ミシンで作ったもの・手縫いのもの・手編みのもの、ハンドメイドの製作記録です。誰かの参考になりますよーに☆*:. Rania.K

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